4日間のミニバージョンとはいえ、例年のパターンを踏襲し、毎日異なるウンブリア地方の5つの中世の教会にファツィオリピアノを持ち込んでのコンサートでした。今年もアメリカなど海外からのコアのファンの顔もあり、皆で予期せぬ再会を喜び合いました。素晴らしい教会の絵画やフレスコ画の清廉な雰囲気の中、教会の暖かく柔らかな音響は格別です。
初日は、ペルージアのサン・フランチェス・ディ・ノヴェリ教会。
2日目は、ペルージアのサンピエトロ大聖堂で室内楽の名作が繰り広げられました。
住所 東京都九段南2-1-30
イタリア文化会館B2F
席数 372席
イタリア文化会館は、イタリア外務・国際協力省に属する機関であり、日本におけるイタリア文化の普及と日伊文化交流の振興を目的とし、文化的および学術的な講演・催事を行っている。その他にも日本諸機関や企業の後援活動、語学・文化コースの提供を行うなど、まさにイタリア情報の発信拠点としての役割を担っている。大きなエキジビションホールと東京で唯一のイタリア専門図書室を有し、1万5千冊を超えるイタリア関連書籍とイタリア文学者故須賀敦子氏の原稿などのプライベートコレクションも所有する。
イタリアの情報発信の拠点と広く知られているイタリア文化会館だが、カルヴェッティ氏は「現代のイタリア」を紹介していくことを強く意識してきたという。音楽においては「イタリア音楽=オペラ」というステレオタイプが一般的に普及しているが、その良さを認めた上で次のように語った。「イタリア文化会館では、イタリアらしいと皆さんによく知られているオペラなどではなく、イタリアのジャズや現代音楽のアーティストを数多く招聘してきました。イタリアのジャズが世界的に有名なことはジャズ愛好家以外にはあまり知られていないと思います。イタリア人作曲家による能の「謡」の現代曲コンサートを開催したこともあります。当館は公的機関であるためコンサートも無料ですし、商業的な観点を気にせず、今のイタリアを知っていただくためのコンサートを意識して企画してきました」
「現代のイタリア」を紹介するというカルヴェッティ氏の功績の一つが、アニェッリホールにファツィオリを導入したことであろう。「イタリア人にとってファツィオリのピアノは、本当に奇跡的な成果だったと思います。ファツィオリは、ピアノメーカーとしては比較的に新しい会社ではありますが、80年代に突然現れて瞬く間に他の世界的メーカーに並ぶレベルのピアノ作り上げることができたのは信じられない奇跡です。イタリア人にとっての誇りでもあります」
在任期間を振り返り、「新型コロナ感染拡大により活動が制限されてしまった期間を除けば、就任当時に思い描いていたことを達成できた」と微笑むカルヴェッティ氏。同氏の4年にわたる日伊文化交流と文化発展への献身ならびに大きな功績に感謝の気持ちと拍手を送りたい。
6月19日・20日東京芸術劇場、6月22日大阪フェスティバルホールにて、反田さんがシューマンピアノ協奏曲を演奏しました。読売日本交響楽団指揮者はセバスティアン・ヴァイグレ氏。使用ピアノはF308です。反田さんが初めて臨む曲ということもあり、特別なコンサートとなりました。
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